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【多文化共生インタビュー】李姉妹にとって、「アイデンティティについて考える」とは。発信者の想いに迫る。

地球に暮らすみなさま、初めまして、こんにちは。

ボーダレスハウスサポーターのひなのです!

私は移民難民問題などに興味があり、ボーダレスハウスのオンラインイベントにこれまでよく参加していましたが、この度はサポーターとして、「ボーダレスハウスラボ」というイベントに関わらせていただくこととなりました。
ンラインイベント「ボーダレスハウスラボ」についてはこちら

オンラインイベントでは毎回、サポーターによるイベント開催レビューとインタビュー記事をUPしています。
前回のイベント記事はこちら『きっかけは就職活動のおかしな仕組み。ソーシャライズ代表中村氏が語る多文化共生を会社で実践する方法とは』

そして今回は2回目のイベントレビュー!ゲストは、日本在住の中国人姉妹YouTuberの李姉妹でした!

お二人は、YouTubeを通して、中国語学習動画配信をはじめ中国文化や李姉妹の生い立ちなど様々なエピソードを配信しており、多世代から愛されています。なんと、チャンネル登録者数は約20万人!
この記事では、イベントのダイジェストとともに、イベント後のインタビューで改めて聞いた「アイデンティティ」に対する李姉妹の想いについて、レポートしたいと思います。

YouTubeで日本と中国の懸け橋に!李姉妹の発信の奥にある想い

オンラインイベントでは、まずお二人それぞれのライフログが紹介されました。

妹のしーちゃんは日本で生まれ、幼い時に数年中国にいたそうですが、ほとんど日本で暮らしてきました。一方、姉のゆんちゃんは日本・中国・ニュージーランドと国際的な移動をこれまで多く経験したそうです。しーちゃんもゆんちゃんも同じ時期に会社を辞め独立し、しーちゃんの提案で李姉妹チャンネルがスタートしました。

発案者のしーちゃんは、当時英語学習のYouTubeをみていましたが、中国語バージョンがないことに気づいたそうです。そして中国語の話せるゆんちゃんに声をかけ、「姉妹でなら始めてみてもいいかもしれない!」ということで始めました。

再生数が伸び、注目が集まったお二人の生い立ちを話した上記の動画についても、お話ししてくださいました。

YouTubeを始めるまで、李姉妹のお二人は自らのアイデンティティについてあまり考えたことはなかったそうです。特に中国籍であることをネガティブに捉えることもなく、暮らしていたと言います。

その理由について、ご両親の影響も大きいと話していました。李姉妹のご両親は「馴染むタイプ」で、自然と日本の環境を受け入れ、積極的に近所の人と交流している姿を小さい頃から見ていたそうです。

それでも、自分たちの生い立ちについての動画を作成しようと思ったきっかけは、自らのアイデンティティに悩む李姉妹チャンネルファンとの出会いでした。そこで、自分たちが発信することで「他にもこういう人いるんだ」という風に思ってくれれば、という想いがあったそう。

李姉妹が動画で伝えたいこと

「国単位で中国を理解しようとすると、近く思えない。やっぱり個人とか、すごく小さいこととかを色々知っていくと、大きいまとまった情報と違う面が見えて、近く思えるんじゃないかと思います。」

このようにお話ししているように、李姉妹はみんなが共感できる身近な話題についていつも等身大で発信されています。

アイデンティティについても、

「それぞれの環境によって悩みが違うし、悩みが完全一致する人なんていない。でも、「こういう人もいるんだ」みたいな感じで、ちょっとでも自分のルーツとかアイデンティティに対する考えを明るいものにしてもらえたらなと思います。」(しーちゃん)

「自分をまずは受け入れること。そこからポジティブに考える。自分だけ、という風に考えず、世の中にいろんな違う悩みを持ってる人がいることを知り、明るく楽しく前向きになってほしいなと思います。」(ゆんちゃん)

と、個人を尊重した、とても前向きなメッセージをいただきました。

【イベント後インタビュー】「個」を尊重したポジティブな「アイデンティティ」の話へ

イベントが終わってみて、お二人の感想や改めてアイデンティティのことを話してどうだったか、そして発信者としての想いをお聞きしました。

ー 今日イベントをやってみて、より考えたことなど、率直な感想を教えてください。
(しーちゃん)YouTubeとはまた違ったlive形式のイベントは初挑戦で楽しかったです。改めてアイデンティティについて質問を受けて思考することで、私自身勉強になりました。

(ゆんちゃん)アイデンティティっていう問題は難しい問題ですし、結構興味持ってる人が周りにたくさんいるなってことを実感しました。自分たちも改めて考えることはそんなになかったので、こういうトークセッションを通して考える機会になれたかなと思います。

中国のこと発信することに不安がなかったかという質問の回答の中でYouTubeはカメラに向かって話すだけだからあまり不安がなかったとありましたが、一方向のYouTubeでの発信と、今日のような目の前にレスポンスがあるような対話型イベントとの違いは何でしょうか?
(ゆんちゃん)逆にこういうイベント型だと、興味がある方が集まってくださっているので、不安なく話せました。YouTubeだと不特定多数のいろんな人がいるので、こういったセンシティブな話題については、相手の表情もみれますし、逆に安心して話せたな、というのはあります。

(しーちゃん)私もそうですね、こういうイベントだと、YouTubeの動画との差別化はできるなと思います。あらかじめ興味を持ってくださる人がいるっていう安心感がありますし。あとは、このリアルタイムな感じがいいなと思います。

ー事前の質問で「自分たちに対する反発や心ない声に対してどう向き合うか」とか「分断されつつある世界について感じること」などの質問が寄せられています。「アイデンティティについて考えなくちゃいけなくなる」きっかけを生み出す誹謗中傷とかメディアの報道についてどうお考えですか?また中国人のロールモデルとして今後どういうアクションをしたいですか?
(しーちゃん)正直、世界とか国の情勢とか、私個人としてはそんなこと全然詳しくなくて。「こういう国の政治についてどうお考えですか」とか、言われると自分としては結構違和感があります。メディアに関しては、偏ってるところはあると思うんですけど、でもそれを自分たちの発信でどうこう変えようとかは考えていません。それよりも、見る人が変わる方がいいのかなと思っています。

(ゆんちゃん)誹謗中傷についてなんですけど、自分たちはその辺はコントロールしようがないので、自分のメンタルとか調整して、気にしないという形でこれからは発信したいなと思っています。
メディアに関しては、ある程度コントロールされているもの、偏ってるものが多いです。すごく印象的だったのは、YouTube始めてからコメントで、「なんで中国の子どもってあんなにビルの間に頭挟まるの?」とか言われるんですよ。それ言われて改めて、テレビとかニュースの衝撃映像とかで「中国のビルで、子どもが頭挟まった」とか多いなって思いました。でもそういうのは私たちもコントロールできないので、自分たちのチャンネルではメディアとは違う部分で発信しようと思っています。例えば、自分たちが中国でいった場所とかお店とかを紹介して、自然と中国の良さが伝わるような動画を作りたいです。これから旅行とかできるようになったらそういう動画をたくさん作っていきたいなあと思います。

ー 「日本でお母様がご近所の方と積極的に交流していた」というありましたが、「常に自由に柔軟に、物事を捉えて受け入れる」という考え方は、このお母様の交流する姿から影響されたのでしょうか?

(ゆんちゃん)そうですね、親の影響は結構大きいと思います。やっぱり子どもの頃って、親の背中を見るというか、親の行動が子どもに反射するって言われるじゃないですか。アイデンティティについても、そこまで深く考えずに、なんか自然と暮らしていたのは、結構親の影響はあったのかなって思いますね。

ー 姉妹で活動する中で、二人のお互いのアイデンティティについて話したり、語ったりすることもあるんですか?
(しーちゃん)アイデンティティの話は、あの動画を作る前に初めて話しました。
(ゆんちゃん)そうですね、初めてです。

(しーちゃん)二人とも結構経歴が違う割には今の考え方は結構似てるんですけど、そこは結局姉妹だなあと思います。
だから、逆を言えば経験が違っても、同じような考えにたどり着くことができるっていう感じなのかなあって思いますね。お姉ちゃんと話す機会ができてそう思いました。

(ゆんちゃん)YouTube始めて、話す機会は本当に昔より増えました。昔から仲は良くて、服やメイクなど身近な話題について話す機会はあったんですけど、例えばアイデンティティとか、そういう話題は結構なくて。YouTube始めてからは、やっぱりネタを動画作る前に二人で話し合って作るので、毎回毎回いろんな話題での話し合いが増えたので、なんか理解深まった感じがします。あ、しーちゃんそういえばそうだったんだ、みたいな。

ー ありがとうございます。なんかお二人のその一人一人のパーソナリティが見えるのもすごくいいなと感じました。最後に読者へメッセージをお願いします。
(しーちゃん)こういうアイデンティティとか、異文化とかっていろんな捉え方ができると思うので、この記事を読む方もそういうのに興味がある方なのかな、と思うので、私たち以外にも、この記事以外にも色々と興味を持って、見たり聞いたりしていただけたら嬉しいです。

(ゆんちゃん)政治的な問題とか、歴史的な問題について普段メディアで目にする機会もどんどん増えてきて、みんなそれぞれ中国って国に対していろんな考え方を持つと思うんですけど、普段中国人と接する機会がある時は、「国」単位ではなくて、個人として、接してあげることができたら嬉しいなあと思います。見た目とか考えとかは違いはあると思うんですけど、アイデンティティっていうのはみんなの個性でいい風に働くし、異文化交流も有意義な、ポジティブな話題、印象になってほしいなと思います。

筆者のイベント&インタビューを終えての感想

李姉妹のお話を聞いていて、私たちが「国」や「文化」で個人を括ってしまいがちなこと、その結果「アイデンティティについて考えること」がネガティブでセンシティブなことになってしまっている、という問題点に気づかされました。

李姉妹は、そこを「個人の問題」「自分自身との問題」と割り切って、アイデンティティについて前向きに、ポジティブに捉えていたので、その捉え方は非常に勉強になりました。

また、李姉妹は自分たちのチャンネルで社会を変えたい!みたいな考えは一切なく、「こういう人もいるんだ」「こういうところもあるんだ」というのを自然に伝えたい、という風におっしゃっていました。このような、視聴者に気づきを与える動画を発信なさっていることはとても意義があることだなと思いましたし、違う視点から、改めて李姉妹チャンネルの良さを感じ、もっと好きになりました!

この記事の読者の皆さまもぜひ、李姉妹の動画をいろんな観点で見てみて、自分の視野を広げたり、気づきを広げてみてください!

李姉妹チャンネルはこちら

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written byBORDERLESS HOUSE